昨今ではネットで大抵のものは買えるようになってきたことに加えリモートワークも僅かながら普及してきてたことや、都会に比べ人家や人影もまばらで流行り病などの影響を受けにくいことなどもあり、田舎に移住したいという人々も増えてきたように思います。
田舎で暮らしたがっている人はおそらく
1⃣メンドイ人間関係から解放されたい
2⃣ゆったりとした時間の流れのなかで生活したい
3⃣自給自足したりしてとにかく生活コストを下げたい
などという思いが強いのではないでしょうか❔
しかしながら都会育ちの人がいきなり田舎の集落で生活だと中々厳しいものもあるのも現実です。
水洗トイレのない生活、電車やバスが半日に1本とか1時間に1本という交通網、最寄りのコンビニまで車で30分、地域行事に参加しなければいけない慣習。
あとは学校が遠い、塾が無い。
うわさの広まりは早く(田舎の通信費は高くて遅いというのがデフォルトですが、そのぶん口づたいの人のうわさというものは音速で広がりバランスが取られています。
あとは常に監視されているような気がして芸能人気分が味わえてしまう、隣近所の人がみな東スポの記者に思えてしまう とか、
田舎はやはりご老人が大多数だから若いもんは何かと駆り出され、もはや奴隷状態でエジプトの壁画のような生活を強いられる、などというほどのことはさすがに無いでしょうが(笑)、やはりいろいろ難点もありますよね。
次に生活費についてですが「田舎で安いのは家賃だけ」という意見も見受けられます。
物品販売についても周りに競合が居ないのでほぼ定価で販売。。。などですね。
また田舎では経済的な一人勝ちがあまり歓迎されないなどの空気もあるそうです。
そして交通状況については先に挙げた通り公共交通機関はあまり期待できないので、(都会ではそれほど必要無かった)生活の足としての車が必要になりこれが割と費用がかかります。自動車保険+ガソリン代+オイル代・タイヤなどのメンテナンス代など。
車の台数も【家族の人数ー1】台くらい必要になります。
光熱費は都市ガスが使えないところだと当然プロパンガスになりますが、都市ガスより割高。また暖房費のほうも寒いところに行くと灯油代は月3万とかも十分ありえます。
あとのマイナス点は~人によっては尋常じゃないくらい虫が出るのが恐怖とか、暗いところが多いのでお化けが出そうで怖いとか・・・
そしてこれはワタシが一番問題だと思うのですが救急病院まで遠いということです。あと30分早かったら・・・などという状況も往々にしてあるものだと思います。まあそういった状況になったらなったで諦めるというのも人生なのですが。まあ最近は*CCRCの推進などもあるので近い将来の改善に期待ですね。
それと並んで今後少子高齢化が進み税収なども減ったら、災害が起こった時の地方復旧に影響が出そうな気もします。全国的な災害の場合、復旧などはやはり人口の多い地域が優先され、人口が少ない地方は復旧に遅れが出るとか放置されるなどが心配です。「人口○○人のためにこの予算は使えません、あとは自己責任で宜しくお願いします」みたいな。
現に昨今の台風における地方の復旧事業の進捗については少し❔❔❔となる部分が見受けられました。
なんかあと回しにされてるな~と言うか。
また、人間関係においても実際に住んだ知人に聞いてみると、「観光として来ていた自分と、実際にそこに住み始めた自分に対しての態度は若干違う」というのも聞かれました。
やはり{ここに住む以上は自分らの慣習・暗黙のルールに従ってもらう}というのが流れなのでしょうかね。
一例をあげますと、これはもろに自分の経験なのですが、自分は数年ほど地方の雪国に住んでいました。
冬はしょっちゅう雪が降り、その度に家の周辺の路地などの雪かきをしなければいけないのです。
これは一応「この前は誰それがやったから今度はあなたの番」という感じでおこなっておりましたが、さすがにお年寄りに任せるのは気がひけ(ご近所の目も気になり)結局ほぼ自分のルーティンに・・・筋トレだと思ってこなしておりましたがひと冬に何時間とられたことか。。。まあスポーツジムに通っていたんだからこれはこれで~という考えもアリっちゃアリなのですがね。
田舎ではこういったことや地元の消防団、草刈りや公共施設の修繕など無償労働が割と多いのです。
タダで消防士やら大工、草刈りの経験ができてえがった~♪という発想の人は良いですが、それに納得できない人だとストレスとなり心的・肉体的負担となってしまいますのでご注意を。
こうして見てみると都会暮らしはある意味資本主義社会、田舎暮らしは共産主義社会のようなノリなのかなあと言ってしまうと言い過ぎかもですが、田舎暮らしはコミュニティのつながりが強めに意識されていて皆同じ方向、同じような生活程度、同じような生活様式が求められている感じがします。
とここまでずらずらと脈絡無く書いてしまいましたが、それでもまだ田舎だ~という方はその地域の家賃などばかり調べずに以下の事も必ず調べてくださいね。
1⃣その地域の国民健康保険料
2⃣その地域の自治会費とか町内会費
特に1⃣は全国最安値と最高値で倍くらいの差があります、ご注意を!
とここまで地方のあまり良くないところを書いてしまい、自分でも読んでいて、映画で言えば「悪魔の追跡」に出て来るとある地方みたいなこんな世界じゃないだろっ、と思ってしまいました(笑)
上記のようなマイナス点はお試し居住によってある程度解決できるかと思います。
実際に賃貸で借りて住んでみる、そして周囲に対しては「越してくるつもりです」みたいな感じで伝えて。
また最近何かで読んだのですが、地方の集落でも場所によっては気さくにヨソ者を受け入れてくれ、「来てくれてありがとう」といった感じの態度で迎えてくれるところもまだまだ有るようなので、そのようなところを上手く見つけられれば良いですね。
あとは、やはりというか独り身で移住より家族(お子さん連れならなお)のほうが周りから安心される感じがあるようです。
人間関係が不安な場合で特にヨソモノに冷たい人が居るとやだとか人間関係が濃厚過ぎるのを避けたいなどの理由で別荘地に住むという考えもアリですがこれもまた以下の点に注意してください。
*建物ごと購入の場合、家屋には断熱材が入っているか・・・避暑地の建物にはこれが入っていない場合が多く、そうなると寒さ対策のため冬場は家の中にテントを張り、スキーウェアで過ごさなきゃならん(泣)ということも。 また床がフローリングばかりだと寒くてタマランので畳の部屋も適度に必要だそうです。
*別荘地内の管理費などについて調査することも忘れずに。また温泉地だと毎月3~4万くらいの温泉税がかかることもアリ。
そしてそしてターゲットとなる地域の歴史をも丹念に調べ、過去に大きな水害、土砂崩れなどは無かったか、最近話題の獣害なども無かったか・・・なども把握しておくと良いかと思われます。
歴史は繰り返すとも言われますしね。
さて今回は地方移住について(薄くですが・汗)書いてみました。
ざっと見てみると田舎暮らしのデメリットが多い様な書き方ですが決してそうは思いません。
日本は文化として移住などが少ない民族であり生まれ育ったところで【永住】、みたいな考えがありますが、生まれ育ったからと言ってそこの地域が自分にとりベストな土地・環境とは限りません。
もっと言えば日本に生まれ育ったからと言って自分にとりベストの国が日本とも限りません。
賃貸という引き返しが出来る手段で移住を試してみるのアリなのではないでしょうか。
さて、このコラムも東京山手⇒下町⇒地方と来たので次回は都会と地方の中間、郊外部について書いてみたいと思います。
*CCRCとは「Continuing Care Retirement Community」の略称で、1970年代からアメリカで盛んになってきました。高齢者が健康な段階で入居し、終身で暮らすことができる生活共同体のことです。
日本版CCRC構想は「東京圏をはじめとする都市部で生活する高齢者が、自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができるような地域づくり」を目指すものとして始まりました。
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